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コンテベースのコンテストにおれがピキる訳

どうも。CGアニメーター兼株式会社BIGFOOT代表の熊本です。2017年のこの記事でもアニメータードラフト会議についてピキッてましたが、あれから数年、まだコンテベースのコンテストが行われてたのにビックリしたので、思いのたけを書きたいと思います。

ていうかアニメータードラフト会議の尺まだ45秒とかだったんすね。しかもコンテベース。

…ピキッ

まあ今回はこちらのコンテベースのコンテスト記事(試験と銘打ってはいますが)を中心にお話ししていきます。

CG-ARTS様主催 アニメーション実技試験2022

ちなみに最初に断っておくと、アニメーションコンテスト自体はおれは全く反対ではないです。むしろ賛成。大賛成です。CG-ARTS様イベント開催誠にありがとうございます。

ただ!!!

募集内容が文字ベースじゃダメなのん?てことなんですよ。理由は下記のとおりです。

兎に角最近の若い子たちはもうメッチャクチャ素直なので、絵コンテで先に「答え」を見せてしまうと、若者たちはそれしか出してこない。素直だから。それって果たしてクリエイティブなのか?

結果同じような動画を繰り返し審査することになる。審査員たちの苦痛は容易に想像できます。もしかしたらここで若者に「今の若者はどれも同じような奴ばかりだな‥」という印象を持たれるかもしれない。いやアンタらが決めたことやん。と突っ込みありそうですが、募集内容を考える人たちと審査する人たちは別ですよ。多分。

審査結果発表の動画も似たり寄ったり。若者たちは達成感を感じられないのでは?また、数ある動画がそんなに違いがないことに面白みを感じるか?もしかしたら「同じようなものが上位に入っている…よくわからない業界だな」という印象を持たれるかもしれない。

④オーディエンスが動画群を見てて全く面白くない。下手したら3本も見ないのでは。

上記4つの理由からおれはコンテベースに「デメリットしかないんちゃう?」と思ってます。

コンテ通りにあげてくる能力の何が問題なの?という方もいらっしゃるかと思います。ハイ!そう思ったあなた!自分たちがいる業界はどんなとこでしたっけ!?

我々がいる業界はクリエイティブ、モノツクリする範疇の中にありますよね??おれたちってただ言われただけのモノ作ってりゃいいだけの存在でしたっけ???AIがあーだこーだ勢いを増している中、そんな「言われただけのモノしか作れない人」ってどうなると思います?それ未来ありますかね?

それでもコンテを見せ、その通りに上げてくる人を高得点とする、というコンテストを続けるのはお互いの未来を考えず、都合のいい使い捨て作業者を求めている感じがして、印象悪く感じます。おれの被害妄想でしょうか。

おれたちはクリエイティブな、面白い映画、映像、ゲームに魅かれてこの業界に入ってきたはずです。コロナ禍で希薄になりがちですが、チームでモノづくりしていく業界ではなかったでしょうか?面白いものを、楽しいものを作る、そういう業界ではなかったか?言われたことだけやってくれる作業者を主に求める業界だったのか?

ちょっと話が大きくなるかもですが、日本の人口減少は避けられません。ということは業界の縮小、アーティスト数の減少も避けられない。そんななか、ただ言われたことをやる人を求めるのは間違ってないですか?また危険だと思うことは、若者らは素直なので「これが求められている、これが正解なのだ」と思いこんでしまうことです。

今の若者らは本当に素直です。不安に思うくらいに。そんな素直な子らが大人の都合で時間を無駄に使われているのは心苦しい。とか書くとおれがまるで若者の味方みたいに勘違いする方もいらっしゃるかもですが逆ですよ。おれ以外のCGアニメーターは全てライバルであり、商売敵です。

互いに切磋琢磨して高まっていきましょうよ!アニメーションで殴り合おうよ!!この業界、本来は魑魅魍魎ばかりでマジ楽しいんすよ!

業界片隅のイチアニメーターが叫ぼうが何も変わらないと思うし変えようとも思ってませんが、長いことお世話になっている業界がこのままゆっくりと腐り、よどみ、暗く、面白くない、魅力のない業界になっていくのはとても嫌なので書き残しておきたいと思い、ピキッた理由を書かせて頂きました。

面白い、楽しいものを作るには自分が楽しいと思えるものを作らないといけないと思いますよ。

あ、ツィッタにも書きましたが、ただ言いっぱなしだと無責任だしフェアじゃないかなと思うんで、もしCG-ARTS様のアニメーション実技試験が文字ベースになり、かつ10秒以内になったらおれ参加したいとおもいます。ペンネームで。よろしくお願い致します。

熊本

 

↓「文字ベースつってもどんなんがいいんだよ。」というかたに。

第一回アニメータードラフト会議(2015年)

株式会社カラーアニメーター採用試験(2014年)